固有の人生を生きる(自己実現・希望)

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固有の人生を生きる(自己実現・希望)

「固有の人生を生きる」の意味

 

「固有の人生を生きる」とは一体どういうことなのでしょうか。
それを人間の自己のあり方の変容ということで説明したいと思います。

 

「自己中心的自己」

 

自己中心的自己とは現実の中から「何を成し遂げるかwhat to do」に規範をおいた自己のあり方のことです。自己中心的自己はそのつどの現実を、その人の条件(価値観やそれに伴うプライド)に従って選択し、それ以外を認めようとしません。つまり自己中心的自己は自分の選択した現実だけを受け入れて、条件に見合う自分あるいは他者だけを肯定するのです。

 

一方でもし自分(他者)が条件に見合わなくなると自分(他者)を認めることができなくなってしまいます。つまりそれは現実の「条件付き肯定」なのです。自己中心的自己とはプライド(自負心)を守り拡大することに重きをおいたあり方ことです。この自己は自分の都合のいい現実だけを肯定し、そこから何かを成し遂げおのれの功績とするところに自己を見出します。しかしそこにあるのは思い通りにならない現実と自分との絶え間のない衝突であり、闘いです。

 

「受容的自己」

 

受容的自己とは「生き抜く(いかにあるか)how to be」に規範をおいた自己のあり方のことです。受容的自己はあるがままの現実を受け入れ、現実を「無条件に肯定」しようとします。無条件の現実の受容なので、現実と自己とは衝突することはなく、そこで起きているのは、現実と自己との和解、ということです。

 

受容的自己は、受け入れるので現実と衝突しないがゆえに、誰にも何にも侵すことのできない本来の自己であり、この時はじめて人は自己の内に安らうことができます。現実を無条件に受容するところに自己(実現)を見出すとき、その人固有の人生が開かれるのです。

 

「自己中心的自己」から「受容的自己」への変容

 

では、いかにして自己中心的自己が受容的自己へと変容し、独自の人生に開かれるのでしょうか。自己中心的自己の条件である自分の価値観とプライドはさしあたり大抵「世間一般の常識的あり方」に依存しています。しかしトラウマ・サバイバーにとっては、その後遺症によりさまざま生きづらさ(精神的・身体的障害等)をもつことになるので、いわゆる「世間一般の常識的あり方」に依存した価値観やプライドをそのまま世間から継承したり維持したりするのが極めて難しくなります。

 

トラウマ・サバイバーにとって一番の試練は、世間一般の常識的あり方から人生が逸脱せざるを得ない中で生き抜かなければならないことであり、世間的な価値観やプライドを手放さざる得ないところにあるのではないでしょうか。そこにはトラウマによる生きづらさとは別次元の苦悩、現実との激しい葛藤があるのだと思います。

 

トラウマ・サバイバーに救いがあるとすれば、トラウマ・サバイバーとしての現実(苦難・困難)をそのままおのれの人生として受け入れる、つまり受容的自己へと変容(=飛躍)できるかどうかにかかっているのではないかと考えます。人間のより本質的なあり方としての受容的自己として生きることだけが、世間常識やそれに伴うプライドにとらわれることなく、おのれの人生をありのままに受け入れて、それもまたあっていい、とおのれの肯定することができるのだと思います。

 

では改めて、いかにして自己中心的自己から受容的自己への変容は可能になるのか?私の考えはこうです。
とにかく生きることです、生きて、生き続けて、生き抜いてください。時間を稼ぐのです。トラウマとの闘いは時間との闘いです。生き抜こうとすることは最初は、手段です。しかし人間は必ず変化します。そして受容的自己へと飛躍していったあとは、生き抜くことはそれ自体目的になるのです。

 

特に手段としての「生き抜くこと」を続けるためには、できれば、支援者をもち、自分なりに知識を得ることに努め、人間関係のリハビリをする、この3つのことを実行する環境があれば幸運です。しかしそうでなくても、やはり人生を少しでも長く生きてみることです。きっと変化するときがきます。5年かかるかもしれない、10年かかるかもしれない、20年かかるかもしれませんが、でもかならず、新しい自己へと開かれてくる時がきます。

 

ドイツの19世紀の哲学者ヘーゲルが「質的変化」ということを言っています。つまり、同じことを何回もやり続けていると、量を数こなしていくと、あるときそのやっていたことの質に変化(飛躍)が生じるのだというのです。トラウマサバイブにも当てはまるかもしれません。私は生きづらさの中で困難・苦難に悩みながらでも生き続けることが、あるときその人の人格的成長(あり方の変容)ということを可能にするのではないかと考えるのです。

 

固有の人生を生きる(自己実現・希望)

 

その人固有の人生が開かれる(始まる)とは、侵すことのできない本来の自己に立ち還って、そこに安らうことであり、そこからエネルギーを得て、その人らしい他者との関わり・働きかけ(人間関係)に生きることです。なぜならそもそも人間とは人間関係のことであり、その人らしさ(個性)は人間関係においてあらわになるものだからです。そして、生き抜くこと(現実の無条件的受容)へと目指された道行の中にあって、自分らしい誠実な人間関係を築いていくこと、つまりそのような他者への関わり・働きかけの中にあるとき、ここにまさに自己実現という事態がおきているのではないでしょうか。

 

カウンセリングの目的は、現実受容の支援です。現実の無条件的受容(主体としての自己の放棄())の中にこそ、真の自己実現があるという逆説的真実が私の心理的支援の根拠となるものです。

()プライドを手放し、価値判断を放棄すること

 

そして忘れてならないのは、この生き抜くというあり方に飛躍できたとき、はじめて、トラウマに台無しにされた自分の人生がまだ取り返しがつくものであり、間に合うということが理解でき、自分がそもそもはじめからその人固有の唯一無二なる人生を生きてきたことに気づくのです。そしてこの飛躍の可能性は生きて生き抜いている限り最後まで人間に残されているものなのです。これが私の考える、希望、ということです。

 

 

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