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古代ローマ皇帝であり、ストア学派後期の代表的な哲学者であるマルクス・アウレリウス(121-180)の言葉を紹介します。

 

「自分に起こることのみ、運命の糸が自分に織りなしてくれることのみを愛せよ。それよりも君にふさわしいことがありえようか。」(『自省録』)

 

あなたに起こることは、あなたにふさわしい

 

哲学者マルクス・アウレリウスは自分に起こる出来事をどう受け取るべきかついての、驚くべき賢い思考方法を提示してくれているように思われます。

 

運命があなたに与えた出来事を愛しなさい。

なぜならあなたに起こる出来事こそ、あなたにふさわしいのだから。

 

例えば、慢性の病気にかかってしまい、一生病院に通わなくてはならないとしましょう。その時、症状に苦しめられること、そして、今後通院を余儀なくされること、薬を飲み続けなければならないこと、食事制限がかかることなどが自分にふりかかる出来事としてあげられるかもしれません。

 

また、病気に対する不安・恐怖、病院に通い続けなければならないという面倒くささ、薬に対する嫌悪感、食事制限がかかることに対する不満なども、その人の内面で起こる出来事として考えられるかもしれません。

 

マルクスアウレリウスは、これら全ての自分に起きる出来事を、運命があなたのために授けたものとして、あなたにふさわしいものとして受け取りなさいというのです。

 

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マルクス・アウレリウスが自分に起きる出来事を愛せよというのは、人はそれができないと、心の一番の安らかな状態(自分を受け入れている状態)から離れていってしまうというのを十分に理解していたからだと思います。
(その離れた状態がいわゆる葛藤状態であり、これが神経症の根です)

 

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病気にかかった自分は嫌だ、病院にずっと通わなくてはならない自分なんか嫌だ、病気を恐れている自分も臆病者みたいで嫌だし、好きなものを好きなだけ食べられない自分なんてつまらなくて嫌だ、といったように、自分に起こった出来事を受け入れないと、どんどん自分自身に対しても否定的になっていき、葛藤状態が強くなってしまうのです。

 

ありのままの自分を受け入れ、肯定していく思考方法

 

自分に起こる出来事を受け入れず否定することが、ひいては自分自身をも否定する原因になっているのだとすれば、自分に起きる全ての出来事を運命が自分に授けてくれたまさに自分にふさわしいものとしてみる見方は、ありのままの自分を受け入れ肯定していくための大きなヒントだと私には思われるのです。

 

私にとっては、すごいインパクトのある心にずっしーんとくるマルクス・アウレリウスの言葉でした。

 

あなたはどのように味わったでしょうか?

 

「自分に起こることのみ、運命の糸が自分に織りなしてくれることのみを愛せよ。それよりも君にふさわしいことがありえようか。」(『自省録』)

 

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