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今日は2つ目の絶対的なこととして、「生身の自分自身」について書きたいと思います。「生身」と書いたのは、自分自身には「観念上の自分」(頭の中で思い描いている自分)というものもあるからです。生身の自分という場合は、感覚し、もしくは感じたり、思ったりする自分のことです。

 

絶対的なものの特徴を改めて書くと、

① コントロールできず、侵せないもの

② 仕方ないものとして受け入れるしかないこと

 

ということを書きました。今回は、生身の自分自身について生理反応を例に話したいと思います。

 

生身の自分自身の絶対性の例:眠気

 

例えば、今わたしはとても眠い。

 

眠気は生理反応ですよね。

 

これは生身の自分自身が感じていることであり、この眠気をこの後、いろいろ手段を凝らしてコントロールする(眠気を消失させる)ことはできるかもしれませんが、今ここで眠いという生理反応を感じていることは、自分の意志の力ではどうにもできず、その意味で絶対的であって、受け入れるしかないでしょう。

 

たとえ私がこの時間は読書する予定で、絶対読み終わらせると、昨日決めていたとしても、そんな決定や意志は今の眠気の前では蹴散らされて、私は読書を前にして寝落ちしてしまうことになります。

 

自分にとってどうしようもないこと、つまり意志の力でコントロールできないことであると認めて、はじめて、現実的な対処ができるのです。

 

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ここでこの眠気の今ここでの絶対性を受け入れられないと、寝落ちして目覚めた後、自己葛藤や他責感情などが起きてくるかもしれません。

 

例えば、自分の決めたことを実行できない自分は、なんてダメな奴なんだ、とおもって自分を責めたり(自己葛藤)、昨晩遅くまで遊びに付き合わせた友人のこと恨めしくおもい、自分の問題なのに、責任転嫁して友人のせいにして憤慨するかもしれません(他責感情)。

 

現実的な対処とは

 

私たちは生身の自分の絶対性を認め受け入れることではじめて、現実的な対処の段階に入れるのです。

 

30分ほど中断して仮眠をとるかもしれません。あるいはコーヒーなどのカフェイン系の飲料を飲むかもしれません、あるいは顔を洗ってみる散歩をしてみるかもしれません。

 

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これが一番大きな現実的な対処ですが、当初の今日この本を読み切るという予定をやめて、眠気に誘われないような活動をする日に変更するということです。

 

わたしはこういう対処ができるのを柔軟なというんじゃないかと思います。
柔軟であるためには、何が変えられない仕方のないことかを見極められねばなりません。

 

これらの現実的な対処は、自分の眠気という現実に対し、仕方のないものとして(根性の問題ではないものとして)受けいれていないとできないことです。

大事なことは、生身の自分がいま感じていることは自分にとって絶対的なことであって、変えられない仕方のないものだということです。その場合の現実的な対処とは、ただそれに従う、合わせるということです。

 

意志が生理反応に負けを認めるようで悔しいかもしれませんが、相手が絶対的である以上仕方ありません。これが現実を受け入れるということになるのです。それは生身の自分を受け入れられなくて自己葛藤して前に進めないよりも、現実的な対処ということになるのです。

 

もし受け入れられないと、生身の自分自身に過度の負荷をかけてしまい(例えばレッドブル5本一気飲みとかして)、結局自分自身が疲弊してしまい、自分の健康を長く保つことも難しくなるでしょう。そして健康を壊したらもともこもありません。

 

受け入れ難かった20代の時のうつ状態

 

ここでわたしの例を出させてもらうと、わたしは20代、ずっと重篤のうつ状態で、毎日が予定変更、挫折の連続でした。たとえうつ状態という病的な状態(これもまた生理反応)であると頭ではわかっていても、その現実を受け入れるのはとても困難なことでした。

 

こんな日が一生続くのかと思うと、それはとても耐えがたく受け入れがたく、より一層自分を責め、うつ状態の悪循環に入っていったように思います。

 

今から思えば、うつ状態という病気(生身の自分自身の反応)が私にとっては絶対的なものだったのです。(しかし、うつ状態を絶対的なものとして受け入れるというのは、現実的には相当難しいことです。現実を受け入れることすら拒否させることこそうつのうつたるゆえんなのです( ;∀;))

 

きょうは生理反応としての生身の自分自身の絶対性とその関わり方について書きましたが、次回は感情としての生身の自分自身の絶対性について書きたいと思います。

 

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絶対的なことⅣ 生身の自分自身:感情

 

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