昨日は、カウンセリングの研修会に行ってきました。
今後、支援の需要が増えていくと言われているリワーク(復職)支援についてのレクチャーでした。
リワークの厳しい現実をきくことができ、勉強になったので、それをシェアしたいと思います。
リワークで復職しても8割が再発
リワークとは、うつなどの心の健康問題のために休職していた方が、職場に復帰することを言います。
しかし企業側の本音としては、復職社員をあまり迎え入れたくないわけですね。職場でも気を遣わなければならないし、本当に続くかわからないし、すぐまたダウンされてしまったら、復職者一人のためにかえってコストがかかってしまうわけです。
現実として、中小企業では事実上復職させずに解雇することが多いようです。
大企業は、さすがに解雇まではできませんが、左遷したり、窓際族に追い込んだりすることはあるようです。
しかし企業が、復職者の復帰を拒むというのは、雇用契約に基づく労働者の権利を侵害するので許されないことなのです。
また厚生労働省の手引き(※)では、復職は「元の職場」への復帰を原則としています。しかし大企業の例にもあったように、これもなかなか現実には実現できていないようです。
(※)『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』(厚生労働省、2009)
また復職支援者(医師・カウンセラー等)が気をつけなければならないのは、休職者の飲酒習慣だそうです。
うつで、休職したのはいいものの、休職中にお酒を飲んでアルコール依存症になってしまう人がしばしばいるとのことです。いくらうつがよくなって復職しても、仕事中、手が震えるのでは大問題ですよね。
したがって復職支援をするカウンセラーとしては、支援は休職後からはじまり、復職後定着するまで続くということです。
というのも、実際には、リワークで復職しても、うつの場合、なんと8割が再発するのだそうです。つまり2割しか続かないという厳しい現実があるのです。
リワーク支援としてのカウンセリングの必要性
そしてその原因として一番に上げられるのは、職場はリハビリ機関ではなく、社員同士が競争しあう「戦場」だということです。
当たり前と言えばそうですが、やはり心の健康を崩して休んでいた方にとっては、職場復帰はかなりハードルが高いということでしょう。
労働者のメンタルヘルスが言われるようになって、随分と経ちますよね。自殺防止対策がしきりにいわれ、やっと自殺者3万人を切れるようにはなりました。
しかしいくらかでも心理的に追い詰められた方が医療機関やカウンセリングにつながるようになって(第一回目の?!)自殺の危機をくいとめたとしても、今度はこのリワークという更なる困難が待ち構えているわけですね。
先ほど述べたように8割の再発者を今後どう支援していくのか、また受け入れ側の企業とどう協力し働きかけていくのか、特にカウンセラーとしては、再発させないようなリワーク支援をどうやったら実現できるのか、課題は山積しているなあとおもったじゅんいちでした。
しかし、心の問題で休職した方は、不安や悲しみ、そしていろいろな意味で傷ついていらっしゃると思うので、手前味噌ですが、医療機関だけでなく、カウンセリングも利用しながら、心身の回復をはかっていただけたらなあと思います。