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子どものころ、転んで、足をすりむいたりして、血が出てくるのを見て、泣いたことはありませんか。

 

大した痛みではないのですよね。でも血を見たとたんに恐怖心が出てきて、それが原因で泣いてしまう。

 

子どもの話ですが、泣いてしまうのは、ただ単に痛いからだけではなくて、その子の気持ちの問題もあって泣いているのではないかと自分の小さいころを思い出して思います。

 

つまり、痛み以上に「恐怖心」という感情が、痛みを強化していたわけです。

 

それと近いことが、トラウマによる痛みにも起きているような気がします。

 

自己否定感~トラウマの痛みを強化するもの

 

わかり易くするために、身体的な症状にします。例えば頭痛。

 

これを心因性(トラウマ性)の頭痛だとします。

 

単なる頭痛なら、痛いな、だけで済みますが、

 

その症状が自分の過去のつらい体験の記憶を呼び起こさせるとすると、頭の痛みと共にそのつらかった時の感情も呼び起こされます。

 

過去の理不尽な体験(トラウマの体験とは大抵理不尽なものでしょう)でわたしたちが悩まされるのは、あんな過去は自分にはあってはならなかった、そしてあんな出来事に巻き込まれ今も悩まされている自分もあってはならない、という自己否定的な感情ではないでしょうか。

 

自己否定的な感情は大変つらい感情です。それは、あんな理不尽な出来事に影響を受けた自分をゆるせない・認められない・あってはならない、というところからくる感情だからです。

 

そして自己否定感の行きつくところは、自分はダメな人間なんだ、ということです。

 

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頭痛と言う症状は、自分の受け入れられない過去の証ともなり、そのことで単なる頭痛の痛みに加えて自己否定的な感情に襲われることになります。

 

ただでさえ、頭痛で痛いのに、加えてこんな症状で苦しんでいる自分はあってはならないという自己否定感が加わることで、トラウマの痛みは更に強化されるわけです。

 

過去のつらい出来事を体験した自分も込みで自分を受け入れるということ

 

トラウマの痛みは、二つあるわけです。

 

ひとつは、心因性であれ、何らかの症状としての痛み。

 

もうひとつは、それに伴って起こってくる自己否定的感情です。

 

しかしこれを逆に考えてみると自己否定感があるから、何らかの症状が出てきてしまっているのかもしれません。

 

なぜなら自己否定的であることこそ、心にとってもっとも理不尽なことであり、自分の気持ちを引き裂く心の傷の本体だからです。

 

私たちが自分自身を完全に、あるがままに受け入れた時、つまり、過去の理不尽な出来事を体験した自分も含めてあるがままに自分を受け入れることができた時、その時こそ、本当に過去の傷がいえ、症状が消失するときなのかもしれません。

 

答えは簡単です。

 

あなたは悪くない。ダメじゃない。

そのまままのあなたでいい、何もできなくてもいい。

 

そう本心から思える時が、自分を本当に受け入れて、自己否定感から解放されるときです。

 

しかし、トラウマ体験が圧倒的であるとき、それと向き合ったり、受け入れたりすることは本当に難しいことです。ひょっとしたら一生かけて克服すべきことなのかもしれません。

 

それは一人だけでやるにはあまりにも過酷なことです。

 

あなたの痛みを分かち合いながら、あなたのトラウマの体験と向き合うことのお手伝いができればと思っています。
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