子猫

 

対人関係で生きづらさ抱えている人にとって、人間関係でつまずくことはもちろんストレスなのですが、一番のストレスはなぜうまく付き合えないのかわからない、ということではないでしょうか。

 

以前の記事でも話しましたようにトラウマを自覚できていない人は、それで一層生きづらさのストレスが増すということもありますし、実は何らかのトラウマだと本人が特定していても、それだけでは生きづらさはさして変わらないのです。

 

トラウマ体験のストレスは、トラウマを自覚したうえで、トラウマ体験の意味を見つめ、理解し、そのことを自分の人生において再構成することができてはじめて軽減していくものなのです。

 

傷の中にいる時はそれが傷であるとわからない

 

わたしの場合は、中学三年の時に10か月にわたっていじめられ、その後、長きにわたり対人恐怖といったトラウマストレスに苦しめられましたが、わたしをより一層苦しめたのは、自分にトラウマの自覚がなかったということです。

 

しかし本当に傷の中にあったら、自分は傷ついているなどと客観的にみれないのではないでしょうか。

 

つまり、それまでのわたしは自分が傷ついていることが分からなかったので、周りからのケアやサポートを受ける必要があったにも関わらず、うまくいかないことをすべて自分のせいにしていました。このことが人間関係の生きづらさ以上にわたしにとってストレスだったことなのだと思います。

 

今になってわかることは、わたしにとっての心の傷とは、自分がダメ人間だと確信していた、ということであり、そういうゆがんだ自己理解こそが心の傷の内容であったということです。

 

生きづらさの理由が自分で理解できるようになる

 

そしてわたしが楽になっていけたのは、わたしのトラウマ体験が、自分にとってどういう意味があったかということを理解し、その体験を自分の人生の中に再構成し、組み入れることが、「実感を持って」できた時でした。そこではじめて本当に安心・リラックスできたというわけです。(しかしそこまでいくには大変な時間がかかりました)

 

さる
自分の生きづらさの理由がわからないことほどストレスなことはありません。そしてそれはなんらかのトラウマから来ていることが多く、そのトラウマを見つめていくためには一緒になって考えてくれる人がやはり必要です。わたしの場合は当時在学していた大学の教員(恩師)だったのかもしれません。

 

手前味噌ですが率直に言って、カウンセリングを受けることは自分の問題を理解していくための有力な選択肢の一つと言っていいかと思います。カウンセリングとはあなたの理解のペースに合わせてそれについていきながら、あなた自身の自己理解の深まりと拡大を、共感と尊重をもって支援していくものなのです。

 

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