自律訓練法

 

今日は、自律訓練法の実際のやり方をご紹介しますね。

実際には、人(心療内科やカウンセラー)に指導を受けた方が正確に身に付けられると思いますが、この記事だけでも実践できるようポイントをしぼって説明してみたいと思います。

 

また終わりには参考動画や本も紹介しますので、これだけあれば独習も可能ではないかとおもいます。

 

それでは早速解説していきますね。

 

標準練習公式

 

自律訓練法には様々な技法がありますが、一般に自律訓練法と言われるのは、これから説明する「標準練習」のことです。標準練習は以下の1つの背景公式と6つの公式からなっています。

 

ざっと目を通すだけでいいです。

 

背景公式(安静練習) : 深呼吸をしながら(5~6回)「気持ちが落ち着いている」

第1公式(四肢重感練習) : 「両腕・両足が重たい」

第2公式(四肢温感練習) : 「両腕・両足が温かい」

第3公式(心臓調整練習) : 「心臓が静かに規則正しく打っている」

第4公式(呼吸調整練習) : 「楽に息(呼吸)をしている」

第5公式(腹部温感練習) : 「お腹のあたりが温かい」

第6公式(額部涼感練習) : 「額が心地よく涼しい」

 

しかし実はこの6つの公式の中でも、特に重要な公式が二つあって、それだけで80パーセントの効果がえられると言われています。それが第1・第2公式なのです。そこで今回は、第1・第2公式だけをやっていく方法をご紹介します。

第1公式は、重感(練習)と呼ばれ、第2公式は温感(練習)と呼ばれています。

 

第1・第2公式でやる自律訓練法の実際の手順

 

目標:いつでもどこでもどんな状況でも、練習することによって安定した心身の状態が得られるようになること。

 

準備:空腹・満腹時は避け、トイレは済ませておく。ネクタイ、ベルトなど窮屈なものは緩めておく

 

手順1:姿勢(参考図

椅子に座って、両手を膝の上にのせ、頭をちょっと前へ傾かせて、目をつぶります。(初期のころはできれば、静かな落ち着ける場所で)

 

手順2:背景公式

ゆっくりと深呼吸をしながら、

「気持ちが落ち着いている」と2~3回心の中で唱える。

 

手順3:公式1(四肢重感練習)

背景公式の状態を踏襲しながら、

「右腕が重たい」と2回心の中で唱える(以下同じ)。(左利きの人は左腕からはじめる)

「左腕が重たい」と2回

「右脚が重たい」と2回

「左脚が重たい」と2回

自律訓練法は積み上げ方式ですので、これで両腕・両脚が重く感じられていることになります。

 

手順4:公式2(四肢温感練習)

背景公式・公式1の状態を踏襲しながら更に、

「右腕が温かい」と2回

「左腕が温かい」と2回

「右脚が温かい」と2回

「左脚が温かい」と2回

 

手順5:消去(取り消し)動作

① 手をグー・パー、グー・パーと、閉じて開く動作を3回くらい(勢いよく)

② 両手を上に上げながら背筋を伸ばし、 伸びきったら、すとんと両手と肩を落とす。

 

手順2~手順5を60秒から120秒でやり、これを3回繰り返して全体で4~6分位で収めます。これが一セッションとなります。

 

そして一セッションを一日3回以上やることが推奨されています。しかし、まずは一日2回からでもやることをお勧めします。大事なのは、毎日続けることです。

 

以上が標準練習(公式1、2)となります。

 

練習の際のポイント

 

ポイント1:受動的集中

各公式で腕と脚の重さ(重感)と温かさ(温感)を心の中で唱えますが、積極的にそれを感じようとするのではなく、なんとなくその部位に心をおいてみて、ぼんやりと、さりげなく感じてみる、というのがコツです。これを「受動的集中」といいます。初期のころ、結果として重さや温かさが感じられなくても全然問題ありません。なんとなく感じられたかなくらいで大丈夫です。

 

ポイント2:消去動作

毎回手順4までいったらやってください。自己催眠状態から切るための作業です。シャキシャキやりましょう。気持ちがすっきりします。これをしないとだるさが残ったりすることがありますので必ずやってください。(但し就寝前に寝ながらやる場合は、消去なしでもOKです)

 

ポイント3:唱え方

全ての公式で、心の中で文言を唱えますが、文言は上に挙げたものを使ってください。勝手に文言を変えてはいけません。自律訓練法は原則主義です。例えば、「右腕が重たい」を「右腕が重たくなる」と言い換えたりしてはいけません。

 

また唱え方は呼吸に合わせてゆっくりと言っていきますが、これははじめは誰かに言ってもらいながらやるのがいいのです。というのは、独特のイントネーションがあるので実際にそれを聞いてから、自分でもそのイントネーションでやるのがいいのです。

 

ユーチューブにいいサンプルの動画が載っているのでぜひ参考にしてみてください。

 

 

自律訓練法の本はたくさん出ていますが、もし読むとしたらこれ

はじめての自律訓練法 松岡洋一著/松岡素子著

 

また一人では心もとないという方は、ぜひ心療内科やカウンセラー(要確認)に指導を受けることをお勧めします。

西新宿カウンセリングでも指導しておりまーす。
 
 

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自律訓練法を続けるコツは、前回も述べましたが、効果を思い出して、それをモチベーションにしてやっていくということです。もう一度書きますね、

 

効果:不安感や緊張の軽減・解消、疲労回復、血圧などのコントロール、肩こり、不眠の改善