もみじ

 

以前の記事「薬物依存と疫病(流行り病)の関係」で、薬物依存対策が、さらなる疫病(流行り病)、つまり薬物依存症(者)を作り出してしまった、という話をしましたが、それは薬物依存だけでなく、精神病についてもいえるのです。

 

精神病にも時代によって流行り廃りがあり、フロイト(19世紀後半)の時代には、神経症(ヒステリー、ノイローゼと同じ)という診断名(精神病)が流行りましたが、いまでは、ヒステリー、ノイローゼは死語となってしまっています。診断の国際標準として使われている米国精神医学会のDSM5では既に神経症という表現は使われなくなっています。

 

神経症自体がなくなったのではなく、心因性の精神病として理解され、診断されるようになったということです(内因性、心因性についてはこちらの記事をどうぞ)。

 

双極性障害の時代

 

ところで、今日問題にしたいのは、製薬会社の利益のからくりのことです。そしてその過程で精神病が作り出されているということを読者さまとシェアしたいのです。

 

製薬会社は薬が売れてなんぼですから、薬を売るための戦略をもっています。例えば、糖尿病の治療ですが、糖尿病2型(いわゆる生活習慣病としての糖尿病)の第一の治療法は、食事療法と、運動療法です。特に歩くことで大抵の場合治るといわれています。

 

しかし、製薬会社はその真実を伏せて、しきりに糖尿病には薬が必須と宣伝します。つまり教育するわけです。こうして歩かないで薬を飲むようになれば、薬は売れるし、そのせいで患者の方は本格的な糖尿病になっていき、薬は更に売れる、というわけです。つまり本格的な糖尿病患者が製薬会社の思惑で作り出されるというわけです。

 

精神病の話ですが、かつて躁うつ病(双極性障害)は決して多くはない精神病でしたが、近年ではよく見られる身近な病気になってきました。

 

なぜか?

 

ここにも製薬会社の陰謀があったのです。

 

現在、抗うつ薬は世界でもっとも売れる薬となっています。ですから、製薬会社は、抗うつ薬を売りたくて仕方ないのです。だから抗うつ薬がかならずしも、本物のうつ病(内因性うつ病)だけでなく、その他のうつ症状を呈している精神疾患群、アスペルガー、ADHD、人格障害、統合失調症等にも処方されるように仕組んでいるのです。

 

つまり一般的な医師の処方に影響力を持つ上層医師たち(彼らは、この病気にはこの薬を使用するという処方マニュアルを一般的な医師たちに提示する)を味方につけて、こうした精神疾患群にも、抗うつ薬を処方するように間接的に指示しているのです。

 

こうして、本来抗うつ薬が必要でない精神疾患でも抗うつ薬が使われるようになることで、躁状態、躁うつ病(双極性障害)が作り出されつつあるというわけです。

 

つまり、躁うつ病は、時代の病であって、製薬会社によって計画的に流行させられたものということなのです。

 

これがこの記事のタイトルである、「精神病は作られる」の意味です。

 

もっと詳しく知りたい方は、こちらを参考にされてください。

 

『双極性障害の時代』 デビッド・ヒーリー著

 

 

しかしこれで終わると、いたずらに精神科医療、抗うつ薬に対する恐怖心をあおっていることになってしまうので、最後にわたしの体験からの意見を書きます。

 

心身の不調を感じたとき、潜在的にうつをもっていることは、多々あります。例えば、眠れない、食欲がない、だるい、意欲がわかない等の症状があれば、心療内科あるいは精神科の処方は大いに助けになります。主に抗不安薬(精神安定剤)、抗うつ薬、が処方されるかと思いますが、医師の指示のもと、ルールを守って飲めば、安全だとおもっていいと思います。

 

たしかに、抗不安薬の中には依存性のあるものや、抗うつ薬も長く飲むと、やめる時に軽い離脱症状がでたりもしますが、基本は医師の指示に従ってやめていけばやめられます。

 

精神科医療あるいは薬に対する不信のせいで、服用するだけでかなり楽になり、抱えている問題を現実的に検討する気力が得られるかもしれないのに服用しないのは、大変遠回りではないかと思います。

 

ただトラウマ由来の精神疾患状態は、薬がなかなか効かないこと(←わたしもそう)も多々あるように思います。こちらの場合は精神科の処方をうまく利用して最低限のエネルギーを確保しつつ、カウンセリング(心理療法)を受けることをお勧めします。人間関係の傷はやはり人間関係で癒してゆくことがどうしても必要です。

 

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