薬物

 

今回は、わたしが現在受講している精神科医・斎藤学氏の私塾リカバリング・アドバイザー講座のレクチャーの中から学んだことをシェアしたいと思います。斎藤先生のレクチャーは、精神医学や精神療法にとどまらず、常に歴史(政治・社会・文化)との文脈の中で精神医学そして心理臨床の歩みを位置づけようと試みていらっしゃり、大変スケールの大きなレクチャーとなっております。

 

物質(薬物)依存に関わるお話です。

 

はじめに衝撃的な事実(わたしは全然知らなかったし聞いて驚きました)。

 

第二次大戦中の日本の軍資金はどこから?

 

日本は、第二次大戦時、満州でアヘンを栽培し、中国人へのアヘン売買によって軍資金を調達していたということです。

 

一時期、日本のアヘンの生産量はほぼ世界のアヘン生産量に匹敵するほどだったようです。戦時中の日本を「アヘン帝国」などと呼ぶ学者もいます。

 

そして戦後に至っても日本は、足りないお金を、アヘン売買に頼っていたのだそうです。

 

こうした事実は、国際的には周知のことであって、むしろ知らないのは日本人だけと、斎藤先生はおっしゃっていましたが、読者様はいかがですか。

 

WHO(国際保健機関)は、もともと戦後の物質(薬物)汚染の対策のために国連が設立した機関なのです。その中にはもちろん日本対策も含まれていたというわけです。

 

疫病とは、流行り病のことですが、物質依存(症)とこの疫病には関連性があります。

 

人間によって故意に作り出されたアヘンの大流行は、アヘンの慢性中毒という疫病を作り出しました。アヘンは気持ちがいいという感じではないようですが、疲れなくなり、何も食べなくても大丈夫になるようです。兵士にはうってつけだったかもしれません。

 

アヘンをやめさせようとして作ったのが、「モルヒネ」でしたが、結果として今度はモルヒネが大流行してしまい、モルヒネ依存症者をたくさん作ってしまうことになります。

 

そしてモルヒネをやめさせるために作ったのが「ヘロイン」でした。しかしこれも結果としてヘロインの大流行になってしまったのです。

 

モルヒネ、ヘロインは、薬を使えば使うほど欲しくなり、どんどん量が増えていく薬物で、特にヘロインは飲んだ時の多幸感は尋常じゃなく、覚せい剤の比ではないともいわれている大変危険な薬物です。

 

このように疫病(流行り病)は、人為的に普及された薬物によって作りだされるものという側面があるのです。

 

そしてこの伝統(薬物と疫病の相関関係)は、いまや、向精神薬(製薬会社)と精神病の相関関係として受け継がれていきます。(続く

 

 

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